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パワーチェックの勧め


ここではパワーチェックに対する自分の考えを書いておこうと思います。
個人的にはパワーチェックはエンジンの健康診断の面もあると解釈しています。
もちろん正確には運動能力テストなワケですが、エンジンは人間とは違い、ワザと怠けることもしないし感情もありません。
つまりエンジンのコンディションがモロに馬力として現れるのです。
人間のように気力と根性で実力以上の結果を出すことは有り得ません。

馬力というものは人間で例えたら学校の成績のようなものかもしれません。
日本は学歴社会の概念が定着していますから、一般的には
「成績の良い人=偉い(立派)」という単純な方程式が成り立っています。
でも成績の良い人が必ずしも一人の人間として優れているとは限りませんよね?
社会に出れば性格だって重要視されますし、むしろ学生時代の成績なんてほとんど意味がありません。
そういう意味では馬力も車全体の性能のごく一部しか表していないのだと思います。
サーキットやジムカーナ、もしくは峠(暴走行為は賛成できませんが)など、
どこかしらで走っている人ならば、
「最大馬力の数値」
なんてものは、それ程大きな意味がないことをわかっていると思います。
それでもやはり馬力にはこだわってしまいますよね?
そんなアナタは学歴コンプレックスです。(笑)
私もそうですが。(^^;
特に街乗りしかしない人は最大馬力に強くこだわりますよね?
私もそうでしたから、気持ちは良くわかります。
なぜなら、走らない人(ドラテクがない人)が速さを証明するのは馬力しかないのですから。
これが走っている人にとっては、馬力を上げることはある種の屈辱ですよね?
ライバルの車とあまりにも性能の差が大きいならば話は別ですが、
自分のドラテクで速く走れないのを馬力を上げてごまかそうとするわけですから。
もちろん車を自由に操ることができて、性能を十分に発揮できるテクニックを持っている人が
パワー不足に物足りなさを感じてパワーを上げるのは別です。
むしろ本来はそういう順番でパワーを上げるべきです。
某マンガでもそうですよね。
ただし、メンテナンス不良やポン付けパーツで落とした馬力を取り戻すことと、
カタログ値を超えてさらなるパワーを求めることは違います。
前者の場合は直ちに改善するべきです。
こちらはエンジンにとって良くない状態を改善することにより、本来のパワーを取り戻すワケですから、
恥ずかしいことでもありませんし、間違ったことでもないと思います。
後者の場合は、「何のためにパワーを上げるのか?」を考えながら、
自分のドラテクと相談して実行してください。
ここでは前者の「純正パワーを取り戻す」ことに注目して話を進めていきます。


パワーチェックをしてみようと思う人は、大抵は自分の車に愛着を持っていて
すでに車にいろいろ手を加えてある人が多いと思います。
ここでA君が初めてパワーチェックを行ったと仮定してみます。
A君の車(NA車)の出力に関する仕様が社外マフラーへの交換とキノコ型エアクリだったとしましょう。
よく見かける仕様ですね。
A君の思惑としては

「オレの車、マフラーも良いヤツ付いてるし、エアクリもキノコだし、絶対良い結果出るよ!」

という心境で、そざかし期待に胸を膨らませていることでしょう。
しかし、現実はそんなに甘くはありません。
現車合わせをしていない車であれば、
おそらくカタログ値を上回る結果が出ることは少ないと思います。
走行距離によるパワーダウンも無視できません。
当然、ガッカリ。

「このシャシダイ、おかしーんじゃねーの!?」

なんて言葉も出るかもしれませんね。
よく見かけるパターンです。

で、私が重要視したいのは、この後のA君の行動です。


パターン@

「何だよ、この車!?外れエンジンなんじゃねーの?」

「やっぱNAなんてダメだな!ターボ付いてる車に乗り換えよう!」

・・・最悪ですね。
その後はこの車が中古車市場に「社外マフラー付き!程度良好!」なんてカンジで売り出されて
初めて車を購入する若者がまた同じことを繰り返す仕組みです。


パターンA
A君「・・・他の車もコレくらいの結果なんですか?」

店員「そうですね〜。こんなもんですよ。お客さんの車なんてまだマシな数字ですよ。」

A君「そうですか・・・。わかりました。ありがとうございました。」

その後、A君は車に対するモチベーションが下がってしまい、車への愛着もなくなってしまう。。。

現実としてはコレが一番多いパターンなんじゃないでしょうか?
落ち込む気持ちはわかりますが、もうちょっと前向きに考えましょう。


大切なのは前向きな考え方ですね。
車は機械なんだから、必然的な結果しか出しません。
わざと全力を出していないのではなく、今の状態ではその結果が精一杯ということ。
つまり自分が良かれと思って施したチューニングが
エンジンにとっては逆効果だったということを認めることが大切です。
しかしここでの店員の対応をどう受け止めるかも分かれ目になります。

A君「何がいけないんでしょうかね?」

店員「そうですね〜。やっぱりマフラーがダメなんじゃないですか?○○はお薦めですよ。」

A君「そうですか?じゃあお金貯まったら、それ買います。」

その後、A君はお金を貯めては薦められるパーツを買いあさる生活を送ることに。。。

パーツ小僧の誕生と、店側にとっては良いカモをゲットした瞬間ですね。
大切なのは自分の頭で考えること。
店側の言うことは間違いではないかもしれませんが、相手は商売人です。
特に店員が若い兄ちゃんだったりすると、自分が憧れているパーツを薦めたがります。
まずはそのパーツのメリットとデメリットを全て把握する必要があり、
そういう意味では中古車を購入した人は大変ですね。
自分が把握できない部分がいくつか出てくるからです。
まずは自分であれこれ調べて何がネックになってパワーが出ていないのか考える必要があります。
この際、人に聞く場合は一人ではなく、複数の人の意見を聞くこと。
冷静になって客観的に物事を判断することが重要です。


長々とパーツについて書いてしまいましたが、パワーダウンの直接的な原因は
実際は汚れや経年劣化による場合がほとんどだと思います。
始めに「健康診断」という表現をしたのも、このためです。
新しいパーツの装着と点検整備・・・どちらが先かは自明の理です。
基本的な整備を行ったうえでセッティング。
コレがセオリーです。

本来ならばシャシダイなどに乗せなくとも、自分の車のコンディションくらいは
自分で把握していなければなりません。
最大馬力で5PSも変化すれば体感できます。
ただしアクセル全開での話ですが。
一般道ではアクセルはせいぜい半分くらいしか開けない、つまり大部分がパーシャルですし、
回転数もレブいっぱいまで上げることなどまずありません。
そんなパーシャル領域では5馬力上がろうが10馬力上がろうが、ほとんど体感はできません。
街中で昼夜問わずブン回しながら走っている人がいたとすれば、
その人は自分の行動を少し考え直した方が良いです。
例えばAE111の6速車では1速8000rpmですでに法廷速度を超えますし、
2速の8000rpmでは100km/h近く出ます。
レブリミットまで回すことなど、高速道路の加速車線でしかできないことになる。
しかも1,2速だけです。

また中古車などを購入してしまうと、車のコンディションがなかなか把握できません。
買ったときからこの状態だったから、コレが普通なのか異常なのかわからないというパターンですね。
というワケで中古車を購入した人は、車が自分の物になった時点で、可能な限り点検・整備するべきです。
具体的にはオイル類の全交換、エンジン内部の洗浄、スロットル洗浄・・・など。
ほとんど車検を受けるのと変わりませんね。
しかし一度良いコンディションを把握できれば、
その感覚を基準にメンテナンスの周期を組み立てることができます。
例えば、
「何か最近、高回転の伸びが悪いなぁ〜。」

「そろそろエアクリの寿命か?」「汚れが貯まってきたのか?」
という具合です。

これらの観点で考えれば、一度シャシダイで馬力を計測してみるのも悪くないと思います。
ただし、レブいっぱいまで容赦なく回すので、
最低限のメンテナンスすらしていない車両はどうなっても責任は持てませんが。。。
測定料金は5,000円くらいです。
一度も測定したことがない人にとっては、5,000円分のパーツを取り付けるよりも
遥かに有意義だと思いますよ。

今思うとポン付けパーツと汚れで調子崩して140PSしか出てないのに、
「4A-Gってよく回るエンジンだよね。」
なんて戯言ぬかしてた自分が恥ずかしいです。
先入観だけで余計なコトを口走ると、後で恥ずかしい思いをします。

さて、興味のある方はまず測定してみましょう。
そしてパワーが落ちてたら、正しいチューニング(=調整)を行ってください。
その上でエンジンに対する感想を述べたり、評価してください。
オーナー自身で車を不調にさせておいて
「所詮この車はこんなもんだよ。。」
などと言われたのでは、
エンジンもメーカーの開発者も救われません。


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2005.1.2(日)更新

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