アマゾン タイムセール開催中
フィリピンパブ戦記
木曜。。。
何一つ変化のない日常。
ゼミは当然のごとく時間を延長し、午後からは時間を惜しんで実験を進めた。
夜には家庭教師のバイトに行き、家に帰ってきたら日付が変わる30分前。
何一つ変化のない日常。
そう、たった一つのことを除けば。。。
フィリピンパブに行ったことを除けば。
あっ、聞こえなかった?
オレ、さっきフィリピンパブ行ってきたんよ。
なぜオレがそのような行動をしてしまったのか、順を追って説明しましょう。
そう、あれはちょうど先週の木曜日。。。
家庭教師先のお父さんが
「来週、ウチの店に連れて行ってあげるから、ご飯は食べずに来ると良いよ。」
と言ってくれました。
その家庭は家は新築3階建て(エレベーター付き)、車はベンツ、
子供(中1女の子)はバレエ、ピアノ、習字、英会話など、週に5日も習い事をしているという裕福な家庭です。
店って何の店だ?
と疑問に思いましたが、隣の部屋の床に置いてあったラーメンのメニューの札を発見。
どうやらラーメン屋を経営しているらしいです。
+++++
約束通り、今日はメシを食わずに生徒宅に到着。
お父さんがニコニコしながら出迎えてくれました。
お父さん「今日はお店に行くって話はしてあったよね?カワイイ娘いるから楽しみにしててよ。」
???
カワイイ娘?
オレ「えっと。。。何のお店なんですか?」
お父さん「フィリピンパブ。食べ物は焼きそばくらいなら出せるから。」
オレ「えっ!?」
お父さん「大丈夫、大丈夫。日本語はちょっと苦手だけど、英語なら少しは通じるから。」
オレ「。。。」
どうしよう。。。もう断れる雰囲気じゃないし。。。
ちなみに、この後オレがの家庭教師どころではなかったのは言うまでもない。
家庭教師の指導時間が終わると、お父さんがニコニコ笑いながら地図を見せて説明してくれた。
お父さん「この位置がウチの店ね。さっき電話しておいたから、まぁ楽しんできてよ。」
オレ「えっ!?ボク一人で行くんですか!?」
お父さん「うん。そうだよ。道はわかるでしょ?」
。。。
これは大人になるための試練ですか?
ドラクエVでたった一人でランシールの洞窟へ向かう勇者の気持ちが良くわかった。
壁の顔の「引き返せ!」というセリフが心の中でリフレインしているような。
しかし、もう後には引けない。
たとえその道がイバラの道でも、前に進むことでしかオレの人生は開けてこないらしい。
地図の通りに車を走らせると。。。
本当にあったよ。フィリピンパブ。
店のドアの前で深く深呼吸して空を見上げて神に祈りを捧げました。
これが何かの罪の償いだというのなら、
ボクはいつまで裁きを受け続けるのでしょうか?
覚悟を決めて店に入った。
+++++
薄暗く、ミラーボールが輝く店内。
「イラッシャイマセ!!」
というムダに気合の入った体育会系の挨拶が聞こえたかと思うと
男性店員が陽気に声をかけてきた。
店員「Oさんの知り合いの方ですね?ささっ、こちらへどうぞ。」
オレ「はい。どうもスミマセン。 ←(ナゼか謝る)」
店員「こちら、ミナちゃん(22歳)です〜。ごゆっくりどうぞ♪」
ミナちゃん「ハジメマシテ。ミナデス。ヨロシク〜。(握手を求める)」
オレ「あぁ、始めまして。よろしく。。。(引きつった笑顔で握手)」
っつ〜か、ミナって何だよ?
この娘、絶対日本人じゃないよ!!
(↑だからフィリピン人だって。)
ミナちゃん「ワカイデスネ。ナニシテルカタデスカ?」
オレ「あぁ、うん。大学生なんだ。」
ミナちゃん「ダイガクセイ?student?」
オレ「そうそう。college student。」
ミナちゃん「オシゴトハナニシテルノ?」
オレ「(だから学生ゆうとるやんけ!) え〜っと。アルバイトで家庭教師してるんだ。」
ミナちゃん「カテイキョウシ?」
オレ「ん〜、teacherだよ。家で勉強を教えるteacher。
home teacher?(よくわかんないので半疑問形)」
ミナちゃん「ア〜、home teacherネ。アタマイイノネ。スゴイ!」
助けてママン!
日本語も少ししか通じないヨ!
っつ〜かそもそもフィリピンの公用語ってフィリピン語だろ?
英語もあんまり通じてないような。。。
始めは借りてきたネコのように大人しくしていたが、
場が持たん!っつ〜コトでなんとかして会話を盛り上げようとした。
年齢とか日本に来て何年とか、バイトの話とか日本とフィリピンの話とか。。。
って言うか何でそんなにピッタリくっついて座るのさ!?
30分くらい経ったところでさっきの店員が来た。
店員「は〜い。ミナちゃんをちょっとお借りしますね〜。次はエリカちゃん(25歳)で〜す♪」
オレ「。。。(ぐはぁ!まだいるのか!)」
エリカちゃん「ハジメマシテ。エリカです。(やはり握手を求める)」
オレ「どうも。よろしく〜。(っつ〜かその握手は規則なのか?そんなにニギニギせんでくれ)」
エリカちゃんの得意技はホメ殺しのようで、しきりに
「ワカイデスネ〜!」
「カッコイイヨ!」
を連発してきた。
さらに彼女の技は止まることを知らず、
「ハイ、ア〜ンシテ♪攻撃 」 (ポテトくらい自分で食うわ!)
「おててニギニギ攻撃」 (女みたいな細い指で悪かったな!)
「太ももさすり攻撃」 (チ○コに手があたっとるやんけ!)
「背後から肩揉み攻撃」 (力入れすぎで痛いっちゅ〜ねん!)
「ココデカノジョツクッテネ攻撃」 (言葉も通じん娘と付き合えるか!)
を防御する術なく全てクリティカルヒットされてしまった。
恐るべし、フィリピーナパブ嬢。
昔サークルの飲み会で
酔っ払って胸を押し付け、チ○コを触り、
挙句の果てにキスしてきた女の先輩を思い出してしまったよ。
しかし、今のオレはそんな小技で落とせる程安い男ではないぜ!
って言うか、そろそろ帰らせて。(泣)
とその時、
店員「は〜い。エリカちゃんをちょっとお借りしますね〜。次は。。。」
と店員が背後にやたら大柄な女を連れて来やがりまして。
イカン!これは何とかせねば食われるぞ!!
というワケでオレ、必死に行動に移したよ。
オレ「スミマセン。そろそろ。。。」
店員「あっ、おトイレですか?それでしたらコチラにどうぞ。」
ちが〜う!!!
この野郎、なかなかの策士だな。
オレを帰らせないつもりか?
と思いつつも一度トイレに入り、作戦を練ることに。
いかにして全ての人(パブ嬢、店員、Oさん、オレ)のメンツを潰さずに帰るか?
それが問題だ。
洗面所の鏡の自分を勇気付けた。
トイレを出ると、すでに例の大柄な女がおしぼりを持って待ち構えていたが、
ここで捕まっては振り出しに戻るだけだ。
女をヒラリとかわして店員に声をかけた。
オレ「スミマセン。ボク、用事があるのでこれで失礼します。
Oさんにもよろしくお伝えください。女の子にも気を悪くしないように。。。」
店員「あっ、そうですか?お時間もまだまだ残って。。。。」
オレ「いえ、どうもスミマセン。ありがとうございました。」
とだけ言い残してスタコラサッサと店を後にしました。
店中から響き渡る「アリガトウゴザイマシタ!」という声にも振り返ってはダメだ!
23歳にして初めて貴重な体験をしたと同時に、言葉では言い表せない何か大切な物を失った気がします。
アマゾン タイムセール開催中
TOP