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研究室


研究室とは?

理系の大学生は普通、4年生以降(大学院も)は研究室に配属されます。
3年生までは、授業に出席してテストを受け単位を取得するという
一般的な大学生活ですが、
4年生以降は研究が授業のような存在であり、
その研究成果によって単位が与えられます。
よって、4年生以降は3年生までとは異なり、
生活のリズムも課せられる責任も大きく異なります。


連携大学院とは?

私の大学には連携大学院制度という制度があります。
通常、研究室は自分の大学にある研究室に配属されるのが普通ですが、
この制度を利用すれば、他の大学の研究室や国の研究機関に配属されて
そこで研究を行うことができます。
ただ、他の研究室と言ってもどこへでも行けるわけではなく、
共同研究を行っている研究室や、教授同士が知り合いでなければなりません。


連携大学院のメリットは?

そもそも、なぜこのような制度があるかというと、
おそらくこの制度ができた当時は
大学の設備や予算、研究室や教授陣と学生の数のバランスの問題で、
全ての学生を大学内の研究室で面倒を見切れなかったのでしょう。
これに対し、国の研究機関などでは慢性的な労働力不足の問題があります。
ニュースやテレビ番組に出てくるような研究者や教授などは、
実際に自分の手を動かして研究を行っているケースは稀です。
ほとんどの場合はデータをチェックして研究の方向性を決定する管理職のようなものです。
では、実際に細かい実験を行っているのは誰か?
大学の場合は主に学生ですね。
研究機関の場合は学生、ポスドク、非常勤職員などです。

ここで、それぞれの利害関係を考えてみましょう。
まず、大学としては、入学辞退者などの問題から
毎年入学する学生を完全に一定の数にすることは困難です。
例えばある年、予想に反して想定していた人数よりも多く学生が入学してしまったとしましょう。
授業であれば広い教室に学生を詰め込めば対応はできますが、
研究室となると、そうはいきません。
どうしても装置や器具、机や実験スペースなどの問題が発生します。
だからと言って退学させるわけにもいきませんし、
人数調整のために留年させるわけにもいきません。
人数調整という意味では、大学にとって連携大学院という制度は都合が良いです。
もちろん、他の研究機関とつながりを持つことによって
技術や知識の交流ができるというメリットもあります。

これに対して、研究機関の場合、
先に述べたように労働力を確保できることになります。
もちろん、学生を指導する手間はかかりますが、
ポスドクや非常勤職員とは異なり、
学生には給料を払わなくて済みます。

では、学生側のメリットとは何でしょうか?
学生にとってはやりたい研究ができるか?という所が大きなポイントです。
自分の学科の研究室にやりたい研究内容が無かったとしても、
連携大学院制度を視野に入れれば、選択肢も広がります。
他の大学の研究室を選べば、
うまくいけば大学院入試の際に、コネとして活用できます。
(もちろん、コネだけでは受かりませんが。)
研究のレベルや設備の充実度なども無視できないポイントです。

基本的には三者の利害関係は一致していますよね。



連携大学院を希望した理由

私が連携大学院を希望した理由の中で最も大きな点は、研究分野です。
私は元々薬学や生化学に近い分野の研究をしてみたいと思っていましたが、
ウチの学科にはなかなか条件に合う研究室がありませんでした。
あとは設備の充実度ですかね。
あまり大きな声では言えませんが、
学部の1年から2年に上がる際に留年してしまったせいもあります。
そのまま内研に配属されるのは、ちょっと気まずいですからね。(笑)

学部3年の夏休みに、研究室の体験入門兼実験助手のアルバイトみたいなカンジで
二つほど研究室を回り、現在の研究室に決めました。
選択を誤ったかな?と思うことも度々あります。(笑)

私の研究室のグループでは

1. バイオインフォマティクスによる構造核のコンセンサス配列の発見
2. 新規な構造予測法に基づく人工微小タンパク質の設計
3. モータータンパク質のコイルドコイル構造の形成機構
4. アミロイド形成をするタンパク質のフィブリル構造形成要因の解明
5. 高圧下での酵素の安定化と高活性化の実現
6. 生体分子のダイナミクスと電子状態計算のためのソフトウェアとクラスター計算機の開発

を行っています。
この中で私が携わっているのは、2番の項目ですね。


実際の生活

大体9:00くらいに研究室に行き、19:00くらいに帰る生活です。
忙しいときは夜中まで実験をすることがありますが、
バレると怒られます。(笑)
職員がいない間に学生が事故を起こすと問題になるんですよね。
時間的な制約から、アルバイト禁止の研究室もあるようですが、
ウチはアルバイトに関しては、特に制限はされません。
ただ、アルバイトをすることによって研究が遅れると、
中間発表や審査会の直前で自分が困ることになります。
一応、国の研究機関なんで、土日は完全に休みです。
ただ、実験の追い込み時期などはコッソリ来て。。。おっと!(笑)



研究室の雰囲気

言葉だけでは伝わりにくい部分もあるので、写真を載せてみました。


研究室の私の机。
一人でこれだけのスペースが使えるなんて、恵まれた環境です。



島津のペプチド合成機。
コイツを使ってペプチドを化学合成します。
ウチの研究室の得意分野。




私の実験台。




UVスペクトロメーター。
主にペプチドの定量に使います。




ESI-MS。
ノーベル賞を受賞した島津の田中さんが開発したMALDI以前に主流だったモデルです。
ウチの研究室では主にペプチドの質量分析→同定に使います。



CDスペクトロメーター。
ペプチドやタンパク質の二次構造の情報が得られます。



2台有りますが、お馴染みのHPLCですね。
ペプチドの精製を行います。




遠心減圧乾燥機。。。とでも言いましょうか。
正式な名前は知らん。(w
減圧状態にして溶媒を気化させて短時間で乾燥させます。



医薬用外劇物。(((( ;゚Д゚)))ガタガタブルブル
マジで危ない物が入ってます。




何でこんなに冷蔵庫がいっぱい?




中には試薬やサンプルがギッシリ詰まってます。
食べ物なんてありませんよ。(w




とある日のパソコン画面。
データをグラフ化し、解析しています。
実験をする日もあれば、デスクワークをする日もあります。


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2005.1.16(日)更新

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