車をいじるということ
始めに
ここではチューニングに対する私の考えを書いてみます。
ただし、この先書くことは私の個人的な考えなので
「オレはそうは思わねぇ。」とか「オマエは何様のつもりだ?」と言う人もいるかもしれません。
しかし、別に無理して同意してもらいたいとは思っていません。
単なる独り言のようなもので、また自分が間違った方向に進みそうになったときのタメの
自分自身への忠告のような意味もあります。
気分を悪くしてしまった方には申し訳ありません。
あと「オマエだって車いじってるじゃんかよ!」ってのもあります。
確かにそうです。
でもまぁ、いろいろ考えて自分なりに納得しているならアリかなと思います。
要は「まったくいじるな!」ではなく「メリットやデメリットなどを自分で把握していますか?」
ということですね。
車をいじることが悪いと言っているワケではありません。
チューニングの過程を楽しむ、という考え方もあるのですから。
あと当たり前と言えばそれだけなんですが、車好きには大きく分けて2つのタイプがあります。
一方は
「車を運転するのが好きな人」、もう一方は
「車をいじるのが好きな人」です。
前者においてドラテクがあるレベルまで達した人がチューニングを施すのは自然なことだと思います。
自分の車に対して的確なコメントができるワケですからね。
足りない部分を補ったり、自分好みの調整ができるということです。
また趣味の範囲で走っている人とは違い、何らかの理由で
とにかくライバルに負けられない立場の人が、
相手に対し有利なチューニングを施す場合もあると思います。
単なる走行会ではなく、レースに出ている方などでしょうかね。
レギュレーションの問題もあるとは思いますが。
これに対しても異議があるわけでもありません。
プロ野球などで「巨○は卑怯だ!」などと言われますが、コレもプロの世界の一面でしょう。
で、後者の「車をいじるのが好きな人」ですが、。
この中からさらに
「メンテナンスを自分でやるのが好きな人」と
「社外パーツで車を武装させるのが好きな人」にわけられると思います。
メンテナンスを自分でやるのが好きな人。。。
私は好きですね。尊敬します。
だって自分の車を自分で整備してあげたいと思うわけでしょ?
手間も時間もかかるし、汚れたりケガしたり、なんて事もあると思います。
自分自身の勉強にもなりますし、店に頼んだときの工賃を節約することもできます。
思わぬトラブルを自分で解決できるときもあるでしょうね。
洗車&ワックスがけを自分でやるのも立派なメンテナンスだと思いますよ。
ただし、いろいろな作業を自分でやるということは
自己責任です。
以前にトラックのタイヤが外れて死亡事故を引き起こしたニュースがありましたが、
そういうことも他人事ではありませんので、それだけは注意してください。
で、一番の問題は雑誌やネット上の情報に踊らされて
目的意識もなく、社外パーツを取り付けたがる人です。
せめて取り付けを自分でやろうという気があれば勉強になることも多いんですけどね。
このページは、自分自身のパーツ病を抑えるへ面もあります。
多少偉そうに書いている部分があるのも、そのためです。
誤解して気を悪くしないでください。
まぁ私自身もたまたま貧乏だからパーツが換えられないだけってものありますからね。(^^;
もし宝くじでも当っていたら、取り憑かれた様にパーツを買いあさっていると思います。
1.開発者は自分よりも優秀だということ
まずコレですね。
自分もそうだったのでよくわかりますが、自分の車を持つと、とにかく車に手を加えたくなりますよね。
特に学生で、初めての車ならなおさらその気持ちは強いと思います。
で、お金を貯めては社外のパーツで武装することに熱心になっている人も多いと思います。
ここで注意して欲しいのが
「純正=悪い」なんて思っていませんか?
ポンポンと社外パーツを取り付けたがる人は、多分そう思い込んでいるはずです。
じゃあ、アナタが判断して取り付けたパーツで車は良くなりましたか?
例えば「パワーを上げたい」と思って、マフラー交換やエアクリ交換をした人、
本当にパワーは上がっていましたか?
正しい知識のある人なら目的の通りの結果を出すことはできるかもしれませんが、
むしろいじる前よりもパワーダウンさせてしまった人、
悪いのはパーツでもなく車でもなく、自分自身です。
車をいじるということは、
自分がいじれば良くなると思っているからですよね?
でも、ちょっと考えてみてください。
アナタはメーカーの開発者よりも頭が良くて、車に詳しいんですか?
メーカー側だって適当に設計してるわけじゃないんです。
完成した商品として売っているわけですから、
意味のない部品なんてないんです。
エンジンだってマフラーだって部品のネジ一つ一つだって考えられて作られているんです。
その部品に込められた意味も深く考えずに、
変な義務感でパーツの交換をしていたのでは失敗するのは当然です。
あとノーマルの限界を知る前にパーツを交換するのもどうかと思います。
「納車→即パーツ交換」なんてのも焦りすぎです。
パーツを交換するということは、元のパーツを否定する面もありますよね。
せめて、そのパーツの限界性能を自分で感じてから交換しましょう。
でなければメーカーの開発者もかわいそうです。
もちろん、寿命がきたパーツを新品に交換することとは意味が違いますけど。
ただメーカー側にも予算というものがあるので、始めから明らかに高価なものは付けられませんよね。
軽量ホイールやオーディオ、ナビなどです。
プラグやプラグコードなんかも含まれるかもしれませんね。
こういう類のものは交換もアリかな。と思います。
ただし、
本当に不満を感じているならですが。
あと車をいじるということは
何か問題が起きたときは全て自分の責任です。
「チューニング」と言えば良いことのように聞こえますが、違う言い方をすれば「改造」ですからね。
改造が原因で車を壊しても自分の責任ですし、事故を起こしてもやはり自分の責任です。
2.チューニング=調整
意外と認識が甘いのがコレですね。
「チューニング=社外パーツを取り付けること」ではないんです。
楽器のチューニングと言えばイメージが伝わりやすいですかね?
車で言ったら、本来チューニングというのはアライメントや点火時期などの調整だと思うんです。
それの延長でパーツの交換があるんじゃないですか?
で、結局何が言いたいのかというと、「付けたら付けっぱなし」という人が多いという事です。
一つのパーツを取り付けたら、他の部分を調整しなければならないんです。
吸・排気系をいじったら燃調する。
足回りを変えたらアライメントも調整する。
などなど。。。
つまりはトータルのバランスをとるということです。
また厳密に言えば言えば、走る場所や天気、気温によっても
いろんなセッティングを変えるべきかな、と思うんです。
実際はそこまではやってられませんけどね。
そういう意味ではコンピューターやコントローラー系のパーツが一番チューニングっぽいように思えます。
3.何がカッコイイ?
ロクに走りもせずに
「ノーマル車高なんて恥ずかしいじゃん!」
とか
「純正ホイールなんてダサくて履いてられるか!」
なんて、言っている人も結構いますが、
車はカッコ良くても、自分がそれに釣り合うだけのオーナーになっていないコトの方がよっぽどカッコ悪いです。
もちろん自分の車は自分の物ですし、自分の好きなように付き合っていけば良いのですが
自分なりの美学を持つことが重要なのではないでしょうか?
ただ単に車にお金をかけることが偉いと考えているようでは、
子供の教育もロクにできない親と一緒だと思います。
人の意見や雑誌の記事を鵜呑みにするのではなく、
自分が本当に必要だと思ったものに必要なだけの投資をしていけば良いはずです。
4.速いとうまい
さて、普通の人は一般に速く走るためにチューニングを施しますよね。
エンジンをいじってパワーを上げたり、足回りを組んでコーナリングの性能を向上させたり。
そもそもスポーツカーって速く走るための車ですからね。
で、過去の自分の行動を振り返って感じたことは、
ドラテクも身に付いていないのに車ばかり速くすることに意味はあるのか?です。
もちろん、車に対して何を求めるかなんて、人それぞれですから、
「自分はドレスアップがしたい」とか「オレは街乗りしかしないからドラテクは必要ない」
と言い切る人がいても、それは自由です。
ただ、少しでも「自分のテクニックも身に付けなければ。。。」と思っている人にとっては
チューニングで車を速くするよりも自分のテクニックを磨く方が重要ではないでしょうか?
仮に今10万円の臨時収入があって、それを車に使いなさいと言われたら、
チューニングに使うのではなく、走行会の費用とガソリン、その他のメンテナンスの費用に
つぎ込むべきかな、と思うんです。
要は10万円で車を充実させるか、自分のテクニックを充実させるかですね。
格好ばかりの車高調などはドレスアップでしかないんです。
パワーを上げたいと思うのも、自分の車はパワーが足りないと思うからですよね?
ここで一つ考えて欲しいのが、自分は今の車のパワーを使いこなせているのか?ということです。
使いこなせないのにパワーを上げても、事故ったときのダメージをデカくするだけです。
軽自動車に4人乗ってエアコンつけて「パワーがないなぁ〜。」というのは別ですが。(^^;
もちろんパワーが上がって直線を速く走れるようになれば、サーキットなどのタイムもあがると思います。
でも
直線でアクセル踏むだけなら誰でもできるんですよね。
ある程度の恐怖感を克服できれば、ですけど。
「オレの車ってパワーないんだよね。」とか「オレの車、遅いんだよね。」とか言ってる人は
ものすごいウデの持ち主か、ただのヘタクソです。
前者は車の性能が自分のテクニックの限界を遥かに下回っているから、車に対して不満が出るんです。
自分はもっと上の次元のスピードや横Gの中でも的確な操作ができるのに、
車側が自分が期待しているレベルまで仕事をしてくれない、というカンジです。
で、後者は主に直線の加速しか注目していなく、
自分のテクニックでコーナリング速度を上げようという概念がない場合が多いです。
ゼロヨン仕様や高速クルージング仕様なら話は別ですが、
そもそも、AE系の車はコーナリングで勝負でしょう。
でもまぁここまで考えて「オレの車って〜〜〜なんだよね。」と言っている人も少ないと思いますが。
例えばサーキットなどでどうしても負けたくない相手がいたとします。
その相手に対してチューニングで勝っても嬉しくないと思いませんか?
もちろん、クローズドもしくはストリートなどでスポーツ走行するつもりのない人には関係のない話ですし、
レースなどの勝負の世界では話は違うと思いますが。
あと1の項目でも少し触れましたが、テクニックのない人が足回りを組むのは危険です。
足回りを組めばコーナリング時の車の挙動が安定し限界は上がりますが、
限界を超えたとき少しでも自分で車の動きをフォローすることができるのか?
という問題があります。
すでに飛んでしまった後は壁に刺さるだけですが、
その前に少しでも早く何かしらの対応ができれば、衝突角度を変えてダメージを少なくできます。
またさらに早い対応ができる人なら、タイヤが限界を超える前に
スキール音やステアリングやシートから伝わってくる振動などで
車が限界に近づいていることを感じることができます。
街乗りの場合は、本来は無茶な運転はしないはずなので、限界は高い方が安心かもしれません。
少しでもスポーツを走行する人にとっては、足回りを先に組んでしまうと
車の性能のおかげで速く走れていることを自分の実力と勘違いしてしまいます。
タイヤの場合は感覚が掴みやすいタイヤと掴みにくいタイヤがあるので一概には言えませんが。
私は走り始める前、カー用品店で店員に「クローズドでにデビューするには何が必要ですか?」
と尋ねたことがありますが、店員は自信満々で
「まずは足回りですね!ノーマルじゃあロールがひどくて、とても走れませんよ!」
と言い切っていました。
ヘルメットとかグローブとか、そういう意味で聞いたんですけどね。
まぁ面白そうなので、「そうですかぁ〜。他には何が必要ですかぁ?」と
と適当にいろいろ聞いてみました。
店員は「そうですね〜。後はデフと強化クラッチですかね。これがないと走れませんよ!」
と言っていました。
こちらから聞くまで「ブレーキ」、「ブレーキフルード」、「メーター類」は出てこない始末でした。
メーター類に至っては、
「水温、油圧、油温計を三つ付けたら足回り代の半分くらいかかっちゃいますよ。
そもそも追加メーターって必要ですか?」
と逆に説教されてしまいました。(^^;
「どんなチューニングをすれば良いですか?」
と聞いた覚えはなかったんですけどね。
あと、自信満々で
「筑波2000走るならスピードリミッターも解除しないと走れませんよ!」
とか言われたって、そんなコト知りません。
そりゃあハイパワーでステキな車なら180km/h以上出るかも知れないけど、レビ・トレでそんなに出るのかな?
というかそもそも筑波2000を走りたいなんて一言も言ってないですし。
余談ですが、カー用品店などの若い店員の中には何か質問されると、
とにかく
自分の自慢話に結びつけようとする人がいます。
あとは
待ってましたとばかりに、自分の知識をベラベラと語りだしたり。
きっと立場的に自分の方が優秀だと思い込んで、天狗になっているんでしょうね。
客が本当に求めているアドバイスをしてくれない場合が多いです。
向こうも商売ですし、極端に言えば生活がかかっているワケですから、
カモな客に必死に品物を売りつけようとするのはわかりますけどね。
ただ、一人の店員が店全体のイメージを決定するのは怖い点です。
意地悪な人は、知っていることをあえて店員に質問して、
その店員がどういう対応をするかをじっくり観察するのも面白いかもしれませんね。(^^;
5.テクニック向上のためのパーツ
3の項目ではワリとチューニングに関して否定的に書いてきましたが、
とにかく何でもノーマルが良い!と考えているワケではありません。
中にはドラテクの上達の手助けをするようなパーツもあります。
私がコレに含まれると考えているパーツはタイヤやパッドなどの他、
シートやステアリング、ペダル、シフトノブやブレーキシリンダーストッパーなどの
操作感覚に関わるパーツです。
速く走るためには車から伝わってくる情報を体でしっかりと感じ取る必要があり、
これらのパーツはそれを手助けしてくれる面もあります。
(タイヤやパッドは銘柄にもよりますが。)
音楽で例えれば、
「安い楽器で良い音色は音色は出せない」といったカンジでしょうか。
もっと例えるとサンダルや革靴では100m走を速く走れないでしょ?というカンジです。
もちろん完全に当てはまるわけではありませんが、近い感覚はあると思います。
極端な理想を言えば、どんな車でも速く走れなければならないのでしょうが、
レベルアップを目的とするのであれば、このようなパーツは交換もアリだと思います。
ただし、
お金に余裕があればの話であって、
ないと走れないワケではありません。
またシートやタイヤに関しては良い物に交換して初めてそのありがたみがわかるという考え方もありますので、
走る前から交換してしまうのが良いかは人それぞれかもしれません。
6.メンテナンス&寿命
コレも結構無視されることですが、チューニングした後、
車のコンディションもこまめに点検する必要があります。
エンジンならプラグの焼け具合や、マフラー出口のススの付き具合をチェックしたり。
普通の人が普通の車に乗るだけなら、こんなチェックは特に必要ないんですよ。
でもなぜこんな面倒なことが増えるのか?
それは社外のパーツを取り付けたからです。
人間で言えば臓器移植のようなものですから、取り付けた後、ほったらかしで良いはずがありませんよね。
メンテナンスやコンディションチェックが面倒なら、車はいじらない方が無難でしょう。
あと一般に高性能なパーツほど寿命が短い傾向があると思います。
通常ならば消耗品と見なさないようなパーツまでが消耗品となります。
とにかく車の細かいコンディションに気を使う必要があるということです。
7.目的をはっきりさせる
結局のところ、やはり「何のために車をいじるのか?」は良く考えた方が良いと思います。
ナビやオーディオなどの取り付けなら目的もはっきりしてますし、
深く考える必要もないものですけどね。
ドレスアップなども自分がいろいろな面を納得していることが重要だと思います。
個人的には好きではないのですが、VIP系やワゴンだったらコテコテの外装で目立っていたとしても、
「あぁ、それ系ね。」とか「金持ってんだろうな。」とか思うだけですが、
スポーツカーでエグいエアロ&爆音マフラーなんかで武装していると「きっと速いんだろうな。」
という周囲の視線が注がれます。(^^;
ドレスアップって単に自己満足だけかもしれませんが、
とにかく「ヤツはタダモノじゃないぞ!」って思われますからね。
どういう意味でタダモノじゃないかは微妙なトコロですが。。。
スポーツカーの場合はウデが伴っていれば恥ずかしいことは何もないんですけどね。
でもドラテクを披露する場なんてごく一部にしかないんですよね。
まぁ一般の人は「目障りな暴走族だな。」と思うだけでしょうが。
一般の人から見れば、所詮は暴走族も走り屋も一緒なんですよ。
話がそれましたが、ドレスアップを否定するワケではありません。
ドレスアップって自分の車に対する愛着の表れもあると思いますしね。
単に「目立ちたい!」っていうオーナーのエゴな面もあると思いますけど。(^^;
ただ良く考えておいた方が良いのは、高価なエアロで武装して車高を落とすのは危険を伴うということでしょうね。
普段の生活で車にキズを付けてしまうのは、運転のうまい・ヘタではなく
ほんの少しの不注意なんだと思います。
だから私は街でキズだらけの車を見ると、
「この人は大雑把な性格なんだろうなぁ。」と思ってしまいます。
「車のキズを直そうと思わないんだ〜。」とも思いますけどね。
だから自分の車のキズに対しても悔しいですけど。
また話がそれましたね。。。(^^;
で、結局何が言いたいのかというと、サーキットなどでコースアウトしたときは
高価なエアロが割れる可能性があるということを覚悟することですね。
縁石もありますしね。
どんなにミスしても、そこまで酷い状況にはならない自信がある人は良いですが。
ウデの上達の前に足回りを組んで車高を落とすと良くない、というのはこんな面もあるんですね。
クローズドを走らない人にとっては関係のない話かもしれないです。
アマゾン タイムセール開催中
2005.2.19(土)更新
TOP