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パワーチェック 2002年 6月 15日


1.目的
2002年 6月 13日(木)と同様の条件で、4速を用いて測定することにより、
6000rpmからの馬力の頭打ちがスピードリミッターによるものなのか確認する。



2.原理

前回参照


3.方法

測定日時 2002年 6月 15日(土)
測定場所 スーパーオートバックスかしわ沼南町店
測定装置 DYN ローラー式
測定車両 平成11年式 AE111レビン BZ-R (走行約55000km)
タイヤ DUCARO REVSPEC (前輪5部山程度)
測定ギア 4速(6速MT)
主な変更点 VTC (3000rpm、アクセル開度 常にON)
TRD イリジウムプラグ 熱価7
スプリットファイア プラグコード
純正エキマニ サーモバンテージ巻き
アーシング
TRD エアクリ純正交換タイプ
クリスタルC3000添加(ガソリン添加剤)
エンジンオイル ESSO Ultraflo 10W-40
点火時期調整(純正値よりやや遅らせ気味)
フィールド技研 SFC-HYPER R
 入力値
 0〜1000rpm +1%
 1000〜2000rpm +1%
 2000〜3000rpm +1%
 3000〜4000rpm +3%
 4000〜5000rpm +4%
 5000〜6000rpm +4%
 6000〜7000rpm +3%
 7000〜8000rpm +3%


4.結果

得られたデータを表3.1に示す。
また速度はギヤ比とタイヤの外径から求めた。
各ギヤでの速度と回転数の表

表3.1 測定された回転数(rpm)、修正トルク(kg・m)、修正馬力(PS)
回転数カイテンスウ (rpm) 速度ソクド (km/h) 修正シュウセイトルク (kg・m) 修正シュウセイ馬力バリキ (PS)
3000 64.0 12.9 54.1
3100 66.2 14.1 60.9
3200 68.3 14.4 64.5
3300 70.4 14.9 68.6
3400 72.6 15.4 73.1
3500 74.7 15.9 78.0
3600 76.8 16.2 81.5
3700 79.0 16.2 83.9
3800 81.1 16.1 85.6
3900 83.2 15.9 86.9
4000 85.4 15.7 87.8
4100 87.5 15.7 90.1
4200 89.7 15.7 92.4
4300 91.8 15.7 94.4
4400 93.9 15.8 97.4
4500 96.1 16.0 101.0
4600 98.2 16.3 104.7
4700 100.3 16.6 109.2
4800 102.5 16.9 113.6
4900 104.6 17.1 116.8
5000 106.7 17.2 120.1
5100 108.9 17.3 123.4
5200 111.0 17.6 128.2
5300 113.1 17.9 132.5
5400 115.3 17.7 133.4
5500 117.4 17.5 134.6
5600 119.5 17.4 136.2
5700 121.7 17.4 138.5
5800 123.8 17.3 140.4
5900 125.9 16.9 139.9
6000 128.1 16.7 139.9
6100 130.2 16.4 140.0
6200 132.3 16.2 140.1
6300 134.5 16.1 141.7
6400 136.6 16.0 143.4
6500 138.7 15.6 142.0
6600 140.9 15.5 143.3
6700 143.0 15.5 145.1
6800 145.1 15.4 146.0
6900 147.3 15.1 145.5
7000 149.4 15.0 147.1
7100 151.6 15.1 150.0
7200 153.7 14.8 149.2
7300 155.8 14.4 147.0
7400 158.0 14.2 146.9
7500 160.1 14.1 147.9


これらのデータより最大トルク17.9kg・m(5300rpm)、最大馬力150.0PS(7000rpm)であることがわかる。
また、得られたデータを次の図3.1にまとめた(スキャナーを持っていないため、自作グラフ)。


図3.1 エンジン性能曲線1


また今までの結果と比較するために図3.2を用意した。

図3.2 エンジン性能曲線2

参考までにカタログに掲載されているグラフを図3.3として用意した。

図3.3 エンジン性能曲線3


5.考察

5.1 スピードリミッターについて

今回の測定は6/13(木)と同様の条件で、ギアだけを4速にしたものである。
エンジンの回転数のデータは7500rpmまでしか記載されていないが、
これはシャシダイと車のメーターの間での誤差であり、
実際はメーター読みでは8000rpmまで測定している。
ギア比から計算すると4速の8000rpmでは170.8km/hであり、スピードリミッターには当たらない。
一般にパワーは直結ギア(ギア比が1.000に最も近いギア)が最も出やすく、
6速車では5速、5速車では4速が当てはまる。
そのため、理論的には今回の結果は前回のものよりも悪いはずである。
しかし、実際の結果は最大トルク、最大馬力ともに6/13の結果を上回っている。
これはどういうことであろうか?
考えられる原因として、スピードリミッターの誤動作が挙げられる。
この車両はスピードリミッターはカットしてないはずであるが、5/21、6/13の測定でも
明らかに180km/hを超えたスピードが出ている。
このためスピードリミッターが故障、あるいはその影響により
何からの誤動作を起こしているのではないだろうか?
しかし、この要因については得られたデータだけでは断定することはできない。
店員の証言によると、測定終了時はニュートラルにして空ぶかしをしながら
徐々に回転数を落とすのであるが、180km/h以上のスピードが出ている状態では
その空ぶかしができなかったそうである。
これはスピードリミッターが作動している証拠ということになる。
これらのことから判断すると、アクセルをベタ踏みしている状態ではリミッターは作動せず、
緩めた時点で初めて完全に作動する、という故障の仕方をしているのだろうか。


5.2 ギアを変えることによる負荷の違いについて

ギアが高くなればエンジンにかかる負荷は大きくなる。
5.1でも述べたように、本来ならば4速よりも5速の方が結果は良いはずである。
しかしながら、実際の結果は4速の方が良い結果が得られている。
ということは負荷が大きい状態に限ってパワーをダウンさせる”何か”があるのではないだろうか?
考えられる原因としてノッキングが挙げられる。
燃焼室のカーボンの蓄積により、高回転&高負荷でそのカーボンが火種となり、
異常燃焼、つまりはノッキングが起こることによりリタードしているのではないだろうか。
このことは点火時期を比較的遅らせているにもかかわらず、
ノッキングが起こりやすいという、この車の症状と関連することである。
よってスロットルや燃焼室の洗浄などをした後で、
再び点火時期や燃調の調整を行うことが有効であるかもしれない。


5.3 VTCの接触不良

測定日の数日前からVTCの誤動作の症状が見られていた。
アイドリングまで回転数が落ちてもハイカムが解除されない、
設定した回転数に達しても切り替わりがもたつくというものである。
この誤動作は特に車内の温度が高いときに起こっており、
フタを空けて回路を確認したところ、接触不良を発見した。
基盤については詳しいことはわからないが、ある部分だけが異常に熱を帯びていたことに気が付いた。
普段はそれでもなんとか動作はしていたが、暑い日は限界に達していたというところであろうか。
VTCはVVTの切り替わりのタイミングを任意の回転数に設定するためのものであるが、
データの始め、つまりは3000rpmではすでにハイカム側に切り替わっているはずである。
誤動作で切り替わりが遅れる、もしくは切り替わらないということを防ぐため、
次回の測定までに修理する、もしくは純正のVVTに配線をつなぎ直す必要がある。


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2004.1.11(火)更新

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