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ブレーキパッド


さて、車を構成するパーツの中で最も大切なブレーキパッドです。
コイツがきちんと仕事をしてくれなければ、車はただの動く鉄の塊なだけです。
とまぁ一般的なことはくどくど言わなくても、皆さんわかって頂けていると思いますが。


さて、まず私がパッド交換をしようと考えた理由としては、サーキット走行のためです。
街乗りだけなら純正パッドでも十分でしょう。
「ブレーキは性能が良い方が安心できるし。。。」
と考えている方は初期制動重視の物をチョイスすると良いと思います。
まぁパッドに頼るよりは急ブレーキが必要ない運転を心がけるのが一番なんですけどね。
必要以上に適正温度域の高いものを選んでも、
零間での使用では逆効果です。


何の話でしたっけ?
そうだ。パッド交換はサーキット走行のためだよ、ということでしたね。
私の場合は初めてのサーキット走行のためにパッドを交換したわけですが、
これについてはいろいろな意見があります。
まず
初めからパッドは交換した方が良いよ派の意見としては。。。

・フェードしたら危ないじゃん。
・遅かれ早かれ換えなきゃいけないんだから、先に換えて慣れた方が良い。
・ブレーキの性能が良い方がタイムは出る。

などなど。

次にまぁまずは純正パッドで走ってみようよ派の意見としては。。。

・フェードを体験するのも勉強のウチ。(異常を感じたらすぐにピットへ戻れば大事には至らない)
↑フェードを体験したことがない人の方がかえって危ないかも?
・先に走れば、その後のパッド選びにも自分なりの考えが持てる。
・パッド買ったせいで金がなくなるなら、先に走行会の参加費に費やしなさい。

などなど。
どちらが良いかは人それぞれ考え方次第でしょう。


私の場合は年中貧乏なので、パッドはヤフオクなどで中古で買うことが多いです。
大切なパーツなんで、新品が理想なんですけどね。
中古は剥離や炭化、片減り、ローターとの接触が甘いなどのデメリットもありますが、
新品を買って好みの感触でなかった、というのも結構ショックですし。

リアのパッドはAE92、101、111まで全て共通なので、(ドラムは除く)
「92用」とか書かれていても心配は要りません。
使えます。
FF車のリアパッドは減りが遅いので、前後セットで交換した人が手放したりするようです。
比較的良いものが安価に手に入ります。
で、問題はフロントですが、こちらはなかなか良いものが見つかりません。
ノーマルストラットとスーパーストラットではパッドが異なりますし。。。
そういえば、スーパーストラットのブレーキ周りは91年12月〜のMR2と共通らしいですね。


私の場合、基本的にジムカーナではなくサーキットをメインに走ろうと考えていますので、
初期制動ではなくローター適正温度に重点を置いて選んでいます。
コントロール性が良く、奥で効くタイプが好みです。
あとは価格との兼ね合いですね。
いくら良い物でも、パッドは消耗品ですから
高過ぎるものは使い続けられません。


使用パッドのインプレ


Project μ TYPE NR (フロント)


フロント:プロジェクトμ TYPE NR チラッと見えてる緑のがパッドです。

メーカーの説明には、

「動力とコントロール性をバランスよく発揮させ、
純正品+250℃の耐フェード性能がスポーツ走行をもたらします。
踏み始めから奥までペダル変化が少なく、「タイプNS」の制動性能を大幅にアップ。
トータルパフォーマンスに優れたストリート専用のスポーツパッド。
1600ccクラスまでのライトウェイトカーならミニサーキット走行会もこなすスポーツパッドの定番。」

とありました。
温度域は0〜650℃です。
新品で購入。


取り付け直後はむしろ純正パッドよりも落ちるのでは?という印象がしました。
が!前言撤回。
慣らしが終わると途端に効くようになるじゃないですか!
効きの良さに慣れるまで結構大変でした。(^^;
100kmくらい走行した頃には明らかな変化を感じました。
300kmくらい走って慣らしが完全に終わる頃には「キーキー」と鳴きが。。。
しかも冷間は「ゴガァッ!」っつ〜鬼のような鳴きが発生します。
社外のパッドってこんなに鳴くモンなのね。
面取り忘れたせいかな?
ダストもすごいです。
ホイールは常に真っ黒。(泣)
しかし、それだけのデメリットがあればメリットも大きいです。
サーキットではかなりの効果が体感できました。
当時は足がノーマルだったので、ストレートエンドでのフルブレーキでは
ノーズダイブが激しくてちょっと恐かったですが。(汗)
以前、ジムカーナを純正パッドで走ったときとは全く違いましたね。
タイヤに不満があったので、パッドの性能がフルに発揮できたかは疑問が残りますが、
初期制動とコントロール性のバランスの良いパッドだと思いました。と

が。。。

とあるサーキット走行時にキャリパーのスライドピン固着のために偏磨耗させてしまいました。
サーキット3回、ジムカーナ1回を含む17000km走行で残り7mmまで減りましたが、
偏磨耗で一番減った箇所は残り4mmになってました。
もったいない。。。
初めての社外パッドだったので、それなりに満足していましたが、
夏のサーキット走行後にパッドが少し剥離してしまいました。
あとは、表面が炭化してしまったのか、
全開走行後は何日か効きが悪い日が続きました。
それなりには使えますが、攻め込むとその後がちょっと後が怖いかな?
という印象が残っています。
走っている最中はフェードなどはありませんでした。
片減りと剥離のせいで最後まで使い切れずに次のものに交換。


Project μ TYPE HC (フロント)

これまたメーカーの説明には

踏力に応じた制動力とコントロール性が実現する新世代ブレーキパッド。
国内初!の市販カーボンパッドを販売したブランド「HC」。
カーボン材の優れた耐熱性とローター表面に形成するカーボン被膜により、
0〜700℃のワイドレンジ化を実現。
低温時から高温時に至るまで安定した制動力とコントロール性を可能にします。
サーキット走行時に重視されるコーナリング中のブレーキングによる挙動変化を自在にコントロールし、
安定したコーナリングが可能となります。

とありました。
温度域はNRよりも少し高く、0〜700℃です。
ヤフオクで7部山くらいのを3300円で購入しました。

コントロール性はNRより上だと感じました。
同じ時期にブレーキマスターシリンダーストッパーを取り付けたので、
その効果もあるかもしれませんが。
私がサーキットで使用する限りは特に異常も不満も感じません。

街乗りでは踏み方や温度によっては鳴きが発生します。
ダストはNRと同じく多いですね。
街乗りよりはサーキット重視のモデルだと思いますが、
街乗りなら冷間でも特に問題はないと思います。

日光サーキット走行会でフェードさせてしてしまいました。。。
スペック的にはそんなにヤワなパッドではないはずなのですが。。。
中古で買ったのがいけなかったのか、それとも私がヘタクソでフェードさせてしまったのか。
残念です。


APロッキード ZC (フロント)

プロミューのHCの後に装着したパッドです。
APロッキードは現在ではデルファイに名前が変わっているようですが。
あまり情報が見つけられないのですが、
カーボン系で適性温度は50℃〜850℃のようです。
ヤフオクで7分山くらいのを格安で入手しました。
色は銀色です。

街乗りでは。。。
適正温度に関してはオーバースペックだと思います。
冬の寒い日などでは、制動力が甘くなるように感じます。
と言っても、危険なレベルではありませんが。
今まで使用したパッドに比べると鳴きは少ないですが、
ダストはそれなりに出ます。

サーキットへはまだ行ってないので、少々楽しみではあります。


ENDLESS NA-R (リア)


リア:ENDLESS TYPE NA-R これまたチラッと見えてる青いのがパッドです。

ヤフオクで4部山くらいのを3000円で落札しました。
ローター適正温度300℃〜800℃の上級者向けのレース専用パッドです。
たまたま中古で買ってみたというカンジです。
適正温度300℃〜とありますが、街乗りでも特に問題はありません。
冷えているから効かない、ということは特にないです。
街乗りでのことですし、FF車のリアだから、かもしれません。
ただ、適正温度以下ではブレーキが効く・効かないという問題だけではなく、
ローターへの攻撃性が増すと言う事があるそうです。
気をつけましょう。


サーキットでは温まってくるとリアの出が強くなったように思えます。
4ヶ月の間、街乗りやサーキット、ジムカーナで使用しましが、
ある日、急な坂道に車を停車させようとしたところ、サイドをどんなにキツく引いても
車がジリジリと下がってしまうという症状が出ました。
今思うと、サイドブレーキワイヤーが片方だけ延びたことが原因のような気がしますが、
やはり「適正温度300℃〜」、「レース専用」というメーカーの説明書きが気になって
他のパッドに交換することにしました。
元々山も少なかったですし。


ENDLESS CC-S (リア)


リア:ENDLESS CC-S。取り付けた後だと違いがわかりませんね。(^^;
今回はシムを付けませんでした。

これまたヤフオクで新品未使用品を4500円で落札しました。
メーカーの説明には

ストリートの頂点を極めるセラミックカーボンメタル
ローター適正温度域 : 150 〜 600℃
定価 F : \23,000 R : \22,000

とあったようです。


現在は生産中止の品です。
なぜコレを選んだかというと、ズバリ新古品で安かったから。
本当に適当なパッド選びです。(笑)
でも一応ネットで検索して、このパッドのインプレが乗っているサイトをいろいろ調べました。
なかなか評判は良かったようで、生産中止を惜しむ声もありましたね。
今回も取り付けは自分で行ったのですが、さすがはカーボンメタル。
ローターをすんげ〜削りそうです。(笑)
でもまぁリアだし、そんなに極端にローターに負担はかからないかな〜ということで。
リアのパッド自体、そんなに減らない物ですしね。
アンチスキールシムも今回は使わないことにしたのですが、
「キーッ!」という乾いたカンジの音で結構鳴きます。
温度域の関係上、やはり冷間でもNA-Rより効きますね。
前後で異なった銘柄のパッドを使っているので、正確なコメントはできないのですが、
コーナリングの際にブレーキを残し過ぎるとリアが結構流れます。
やはり効いている証拠でしょう。
割と奥で効くような印象を受けました。
直線で冷めるからでしょうか。
ただ、コレはノーマル足で荷重の変化が大きいことも要因の一つですので、
「このパッドを付けると、こんな挙動が起きる。」とは一概には言えません。


パッド交換作業

参考までにパッドの交換手順を載せておきます。
ただしブレーキは重要保安部品なので、自分でパッドを交換する場合は確実に行ってください。
不安ならばお金を払ってプロに任せること。
何が事故が起こってもこちらでは責任は負えません。


@ジャッキアップしてタイヤを外す。安全のためにウマをかける。
写真には写っていませんが、外したタイヤは車体の下に起きます。
万が一、ウマが倒れたときにも車体が胴体着陸しないようにするためです。

↑スーパーストラット車純正の2ポットキャリパー。
2ヵ所でパッドを押さえつけるため、パッドの性能を発揮できる。


Aキャリパー上部と奥のボルトを外し、キャリパーを持ち上げる。
キャリパーが落ちてきて手を挟まれないように固定する。
結構重いものなので、挟まれるとケガをします。

↑ピストンが2つありますね。ここでキャリパーがガチャンッ!と落ちてくるとケガをします。
まさかそんな人はいないでしょうが、キャリパーを上げた状態ではブレーキペダルは踏まないこと。
ピストンが飛び出してきてフルードをぶちまけます。


Bピストンを押し込む。ピンを外して古いパッドを外す。

↑今回はこのような道具を使いました。
二つのピストンを同時に押し込まないと片方が飛び出してとんでもないことになります。
このときブレーキフルードがタンクから溢れないように注意する。多ければ抜いておく。
ピストンを押し込むのは、新しいパッド(古いパッドより山の多いパッド)を入れるスペースを確保するためです。
山の少ないパッドに交換するときは、押し込む必要はありません。

Cブレーキクリーナーなどでブレーキ周りやパッドを押さえているアンチスキールシム(鉄板みたいなヤツ)を清掃。

↑ブレーキクリーナーと新品のパッド&純正パッド。
パッドが鳴くのがイヤな人は面取りしておきましょう。多少は治まるはず。



↑ブレーキクリーナーでの清掃の様子。


Dディスクブレーキグリスをパッドに塗る

↑このようにタップリと♪


Eパッドを元通りにセット。ピンもお忘れなく。

↑鮮やかな色ですね♪

Fキャリパーを下げ、元通りにボルトを締める。

Gタイヤを履かせ、ウマを外す。

H車を動かす前にブレーキペダルを何回か繰り返し踏む。
ピストンが押し込まれているので、「スコンッ♪」とペダルが床まで簡単に踏み込めしまうはずです。
壊れたワケではないので、あわてないように。
何度か繰り返し踏み込めば正常な状態に戻ります。
この作業を忘れるととんでもないことになるので注意してください。
一度自分で経験すればその恐ろしさに気が付くはず。

Iパッドの慣らしをする。
慣らしが終わるまではスピードは控えめに。


リアのパッドについても基本的には同じですが、リアはサイドブレーキを解除しての作業になりますので、
車止めを使用するなどして安全を確保してください。
あと、リアのピストンには窪みがありますから、
この窪みは最初の位置に合わせるようにしてください。

キャリパーを上げてピストンを押し込む作業が途中にありますので、エアを噛む可能性があります。
パッド交換後、ブレーキのエア抜きをした方が良いでしょう。
パッド交換と同時にやれば、手間も省けます。

初クローズド走行のための準備であれば、ブレーキフルードの交換は必須です。
後にブレーキフルードの交換の予定もあるのだったら、順番はパッド交換が先の方が良いでしょうね。


ピストンを押し込む方法としては次の方法もあるそうです。作業後は必ずエア抜きをしてください。

・フロント
@ブリーダープラグにホースをつなぎ、緩める。
(ブレーキフルードがゆっくり流れ出てきます。)
Aウォーターポンププライヤなどで縮める。
(ブレーキフルードがさらに流れ出てきます。)


・リア
@ブリーダープラグにホースをつなぎ、緩める。
(ブレーキフルードがゆっくり流れ出てきます。)
Aピストンを正面から見たときに上下にくぼみがありますが、
そこにニードルノーズプライヤなどを引っ掛けてねじ込み、縮める。
(ブレーキフルードがさらに流れ出てきます。)
B組み付けの際、ピストンの位置はくぼみを最初の位置(キャリパーの出っ張りの位置)にする。


工具屋でリア用のピストン戻しが売っています。
リアのAの作業をするときにコレがあると便利です。


↑ピストン戻しです。
この突起をピストン側のヘコみに合わせ、ラチェットで時計回りに回しながら
ピストンを押し込みます。

750円だったので、これくらいの価格ならきちんとした道具を使うのが良いかも。
滅多に使わない物ですけどね。
フロントにも使えるピストン戻しは4000円くらいで売っていました。


作業を教えてくれたNさん、協力ありがとうございました。m(_ _)m


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2005.1.24(月) 更新

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