アマゾン タイムセール開催中

イニシャル点火時期調整



適当な画像がないので、コレで勘弁してください。(爆)


始めに。(注意事項)

一般に、市販されている車は点火時期を進めるとパワーが上がります。
ガソリンの燃焼による爆発力が的確にピストンに繋がるようになるためです。
逆に点火時期を遅らせると、爆発力が空振りするという方がイメージしやすいかと思います。
しかしエンジンが最大トルクを発生する点火時期(MBT : Minimum spark advance for Best Torque)
ノッキングが発生する点火時期(ノッキング限界)の前後の近傍にあるため、
ただ闇雲に点火時期を進めれば良いというワケではありません。
メーカー側も当然、点火時期を進めればパワーが出ることは認識していますが、
点火時期の設定は同じでもエンジンの個体差や
オーナーのチューニング内容によってもノッキングが出る状況は異なります。
ノッキングはエンジンに有害な現象であるため、点火時期にもマージンを取らざるを得ないのです。
まず、このような背景があることを忘れないようにする必要があります。


ここでは自分自身への復習の意味と、皆さんへの参考のためにいろいろ書きます。
ただし、この先に書かれていることを実行する場合は、くれぐれも自己責任でお願いします。
エンジンを壊す可能性がある内容ので、不安ならばやらない方が良いでしょう。
それと準備段階として
調整前の自分の車の点火時期が本当に純正の位置なのか始めに確認しておく必要があります。
新車で購入した車両ならば問題ないかもしれませんが、
中古車は前のオーナーが点火時期をいじっていた可能性があります。
事実、私の車の場合はいじってありました。
そのような場合は、まずディーラーなどで純正の点火時期に戻す&その位置をマークしてください。
純正の位置をマークするのは、何かトラブルがあったときに元に戻すためです。
調整は1mm以下の非常に細かな作業ですので、純正の位置がわからなくなると厄介です。
それと点火時期を進めるとアンチノック性の強いハイオクガソリン限定車になります。
AE111の場合、万が一レギュラーを入れてもECUが自動的に判断してレギュラー用のマップを読んでくれるので、
エンジンが即ブローするという状況は避けられると思います。
だからといってレギュラーを入れてしまうと、そもそも何のために点火時期を進めるのかわからなくなりますが。
点火時期調整の前にはスロットル洗浄なども行っておいてください。
エンジン不調の状態では正しい調整ができませんし、余計なトラブルの原因にもなります。


さて、一般に車は純正の状態では点火時期にはマージンが持たせてあります。
これはメーカーが、ハイオク指定の車にレギュラーを入れてしまう人や
間違ったチューニングによりエンジンのコンディションを多少崩してしまう人がいても
即座に致命的な状況に陥らないようにするためです。
自分はエンジンのコンディションには気を使うし、きちんとハイオクを入れる、
という人はこのマージンを多少削ってパワーの封印を解いてあげましょう、というのが目的です。
ただし何度も忠告しますが、実行する場合は自己責任です。
これが原因でエンジンを壊した場合は保証なども適用されないかもしれません。


点火時期の制御

混合気が燃焼するにはある程度の時間が必要なため、
点火は上死点のかなり前に行う必要があります。
つまり爆発は点火と同時に起こっているのではなく、タイムラグがあるということです。
この点火のタイミングを点火時期と呼び、上死点前(BTDC)何度と呼びます。

ただし点火時期は基本の点火時期はあるものの、常に一定に保たれているわけではなく、
状況に応じて補正され、時々刻々と制御されています。
その補正の例としては1.暖気進角補正、2.アイドル安定補正、3.ノック制御補正などです。

それぞれを簡単に説明すると、暖気進角補正は冷却水温が低いときに点火時期を進める補正です。
これは水温が低いと燃焼が悪くなりがちなことと、
点火時期を早めてもノッキングを起こしにくいためです。

アイドル安定化補正については、Dジェトロ車は何も補正を行わないと
アイドリングの回転数がバラつきます。
ECUはこのバラつきを点火時期や燃料噴射量の補正により制御しています。
(回転が高いときは遅らせ、低いときは進める。)
もちろん、エアコン使用時などの負荷変動も考慮されています。

そしてノック制御補正。
これがこのページの内容と深く関わっているのですが、
ノックセンサーが何らかの原因で発生したノッキングを感知すると、点火時期は自動遅角されます。
通常、点火時期を設定する際には、ノッキング限界から余裕を取る必要があるため、
MBTから遅らせた位置に設定し、その分トルクは低下します。
しかしノッキングの発生が感知できれば、フィードバック制御により
ノッキング限界ギリギリの位置での制御が可能であり、トルクを出すことができます。
ただしECUは自動遅角後、用心のためにしばらくは点火時期を進めない(リタード)ため、
話はそれ程単純ではありませんが。
ノック感知後に点火時期がどの程度の間隔でリタードされるか?などという疑問は、
さすがにECUの設計者のみぞ知るというところでしょうか。

ノッキングについて

ノッキング


調整方法
調整方法そのものは非常に簡単です。
デスビのボルトを緩めて回すだけです。
このとき時計回りに回すと進角、反時計回りに回すと遅角されます。
私は0.5mm程進角していました。
センチ単位ではなく、ミリ単位です。
他の人の車ではどれくらいの範囲の調整が安全なのか?は個体差があるため、ここでは書きません。
リンクにある「AE-MY GARAGE」の
「点火時期調整」のページを参考にしてください。


ポイントは欲張って進めすぎないことです。
調整後はECUをリセットし、必ず試運転をしてください。
発進時にカリカリ鳴るようでは進めすぎです。
ただ、ノックセンサーの制御が入るため、ノック音も長くは聞こえませんので注意してください。
「オレほとんど進めてないのにノッキングするよ!」という人は
固体差かエンジンのコンディションが悪い可能性があります。
エアクリの汚れをチェックしたり、スロットルの洗浄を行ってください。
「ノッキングって何?」とか「ノッキング音ってどんな音?」という人は素直にノーマルで乗りましょう。
恥ずかしい話ですが、以前の自分のことです。

あと注意してもらいたいのはこの方法では全回転域の点火時期が同じ程度だけ進められてしまうことです。
アイドリングもレブリミット付近も均等にです。
燃調が各回転数によって異なるように、
本来ならば点火時期だって各回転数に合わせて調整しなければならない
んです。
ですので、この方法は、あくまで「簡易的」な方法だということは認識しておいてください。
あと、デスビで点火時期をいじると燃調が薄くなるようです。
これにより、進めすぎはさらにノッキングが起こる可能性が強くなります。
また自分では未確認なのですが、燃料噴射のタイミングも進むようです。
「理想」はやはり社外のECUの導入だと思います。


レギュラー車にハイオクを入れた場合

「何となく車に良さそうだから」とか「ハイオクの方が洗浄剤が多く入ってるから」
という理由でレギュラー車にハイオクを入れる人も世の中にはいます。
ハイオクはレギュラーに比べ燃えるのに時間がかかりますから
点火時期は若干進めた方が良いそうです。
ただ、どれくらい進めれば良いかとか、パワーは上がるのか?ということはわかりません。

ハイオクはアンチノック性が高い。
そういう意味では、(勝手に)燃えにくいという面があります。
厳密には異なるかもしれませんが。
とある掲示板で見かけた書き込みですが、
「とにかくハイオクが偉いんだ!」みたいな考えで
レギュラー仕様の車にその燃えにくいガソリンを入れて
長年街乗り(低回転しか使わない)を続けた人がいた。
そのエンジンをバラしたら、内部がカーボンだらけだった。
わざわざレギュラーよりも高いお金を払ってエンジンにカーボンを貯める人の気が知れない
と言っていた整備士らしき人もいます。
カーボンの原因が本当にハイオクなのか?というのも疑問ですが。


戻した理由

燃調コントローラーを取り外した際に点火時期も純正値にノーマルに戻すことに決めました。
ディーラーに行き、タイミングライトで点火時期を測定してもらったのですが、
「調整する前にすでに基準値に収まっている」とのことでした。
おそらくデスビ側で進めているつもりが、タイミングベルトの伸びの影響で相殺され
ちょうどノーマルと同程度に戻ったためだと思われます。


アマゾン タイムセール開催中


2005.2.23(水)更新

TOP